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洋服・靴

歴代シャネルのデザイナー|カールの後任、ヴィルジニー・ヴィアールとは

1910年にフランスのカンボン通り21番地で「シャネル モード」という帽子店から始まったシャネル。ココ・シャネルが立ち上げたシャネルには優秀なデザイナーがおり、彼らのおかげで現在の地位まで登り詰めました。歴代デザイナーや2019年以降のシャネルを支えるヴィルジニー・ヴィアールについて紹介します。

シャネルの歴代デザイナー

シャネルのバッグと財布

シャネルがファッション業界を牽引するまでのブランドになったのは、数々の偉大なるデザイナー達がいたからです。まずはシャネルの歴代デザイナーを紹介します。

1916~1971年|ガブリエル・ボヌール・シャネル(Gabrielle Bonheur Chanel)

シャネルの創立者はフランスの女性デザイナー、ガブリエル・ボヌール・シャネル(Gabrielle Bonheur Chanel)。通称ココ・シャネル(Coco Chanel)と呼ばれています。1883年にフランスで生まれ、孤児院で育った後はお針子として働き、帽子店をオープンします。

その後、服や香水なども手がけるようになり、その当時タブーとされていたジャージ素材や黒い服をドレスに起用し、ファッションの常識を大きく変えました。亡くなるまでデザインを手がけていましたが、1971年にココ・シャネルが他界するとシャネルのブランド力が低迷することになります。

1983〜2018年|カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)

ココ・シャネルの死後、人気が低迷したシャネルを復活させたのは、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)です。カール・ラガーフェルドはドイツ出身のデザイナーでクロエ(Chloé)やフェンディ(FENDI)で活躍し、1983年にシャネルのデザイナーとなりました。

当時の流行を取り入れつつ、シャネルのイメージを壊さない、現代的なデザインを築き上げていき、サングラスやバッグなど人気商品を生み出します。自身でも「カール ラガーフェルド」というブランドをスタートし賞を受賞しています。

1984~1998年|ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌ(Victoire de Castellane)

カール・ラガーフェルドと一緒にジュエリーの基盤を作ったのは、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌ(Victoire de Castellane)。フランスの名門貴族カステラーヌ家に生まれた彼女は、幼い頃からジュエリーに興味を抱き、12歳ながらにブレスレットを溶かして指輪を作ります。シャネルでは14年間にわたってジュエリー部門を担当し、数々のジュエリーを誕生させました。

2008~2014年|ピーター・フィリップス(Peter Phillips)

シャネルのメイク部門で活躍したのは、ピーター・フィリップス(Peter Phillips)です。ベルギーのメイクアップアーティストで2008年に就任後、独創的なデザインからシャネルのショーを手がけます。シャネルの定番ネイルアイテムでもある品番505「パティキュリエール(PARTICULIERE)」を生み出し、ヒットさせています。

2015~2020年|ルチア ピカ(Lucia Pica)

イタリア・ナポリ出身の女性デザイナー、ルチア ピカ(Lucia Pica)は、グローバル クリエイティブ メイクアップとカラーデザイナーとして2015年に後任します。彼女はシャネル創立者であるココ・シャネルの伝統を受け継ぎつつ、時代に流されないモダンさを維持した独創的なデザインを生み出しました。口紅やアイシャドウ、リップグロスなど数々の大ヒット品を打ち出しています。

現在のシャネルデザイナー「ヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)」とは

シャネルのボックス

現在、シャネルを指揮するのはヴィルジニー・ヴィアール。ココ・シャネルが亡くなって以来の女性ディレクターなため、就任時には大きな注目を浴びました。ヴィルジニー・ヴィアールの経歴や彼女を語る上で外せないある男性との関係について紹介します。

経歴

ヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)は、1962年にフランス東部のリヨンで誕生します。両親はともに医者でしたが、祖父がシルク関連業を営んでおり、周りの女性達がおしゃれな服装をしていたため、子どもの頃からファッションに興味がありました。

母から縫い物を教わったヴィルジニー・ヴィアールは、20歳で「ニルヴァーナ」というブランドを立ち上げます。その後、地元の学校で舞台美術を学び、衣装デザイナーのドミニク・ボルグのアシスタントになりました。1987年、カール・ラガーフェルドと出会ったことでシャネルにインターンとして加わり、刺繍部門の責任者となります。

1992〜1997年にカール・ラガーフェルドとともにクロエで働いたのち、2000年に二人でシャネルに戻り、ウェアやアクセサリー、オートクチュール部門を統括します。

カール・ラガーフェルドとの信頼関係

ヴィルジニー・ヴィアールは、カール・ラガーフェルドの右腕として30年来仕事をしており、絶大な信頼関係を築き上げました。ともにクロエへ行き、再びシャネルに戻ってきたように、カール・ラガーフェルドにとってヴィルジニー・ヴィアールは、欠かせない存在。カール・ラガーフェルドのデザインスケッチをもとに、ヴィルジニー・ヴィアールが生地選びから完成までの調整を行い、作品を作り上げたほどです。

2019年にカール・ラガーフェルドが亡くなった同日に、シャネルの後任デザイナーとしてヴィルジニー・ヴィアールが指名され、現在の地位に至ります。ヴィルジニー・ヴィアールはガブリエル・シャネルとカール・ラガーフェルドのDNAを継承していると言われています。

シャネルのおすすめアイテム

シャネルには魅力的なバッグや財布などがたくさんありますが、中でもカール・ラガーフェルドやヴィルジニー・ヴィアールが製作に関わったアイテムを紹介します。

CHANEL19

シャネル19のバッグ

シャネル19はカール・ラガーフェルドとヴィルジニー・ヴィアールがともに手がけた最後の2019〜2020年秋冬コレクションで発表されたバッグです。ガブリエル・シャネルが発表年月をバッグにそのまま名付けた伝説のバッグ「2.55」に敬意を表し、発売された2019年の「19」をバッグに名付けています。

他のマトラッセに比べると大きめなひし形のスティッチと、3種類の異なるカラーの太めなチェーンが採用されているのが特徴です。ブランドを象徴するモチーフのCCロゴも大きめで存在感があります。

ファレルウィリアムスとのコラボアイテム「シャネル ファレル(CHANEL PHARRELL)」

音楽プロデューサー、歌手、ファッションデザイナー、そしてシャネルのブランドアンバサダーでもあるファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)とコラボしたアイテムです。シャネルにとってゲストデザイナーを招いたのは初めてだったため、発表当時は話題を呼びました。ファレルはカール・ラガーフェルドとも仲が良かったと明かしています。ユニセックスなデザインが多く、緑や赤、青などのカラーを使ったアイテムが特徴です。

シャネルのサステナブルな活動「シャネルミッション1.5」

自然とシャボン玉

出典 shutterstock

シャネルは2020年3月10日に、気候変動に関する取り組みを行う「シャネルミッション1.5」を立ち上げました。これは2015年に気候変動の抑制に対する国際的な枠組み「パリ協定」の目標値に則ったもの。1.5という数字は「世界の平均気温の上昇を1.5度未満に抑える努力をする」と同協定が定めた条項に基づいています。

2030年までに二酸化炭素排出量とバリューチェーンの排出量を削減、2025年までに再生可能電力に移行を目指しています。

※バリューチェーン:自社の活動に関する他社の温室効果ガスの排出量

シャネルを購入するならリユースショップもおすすめ

コメヒョウの店内

シャネルを購入するのであれば、リユースショップを活用してみるのもおすすめです。手の届きにくい価格のアイテムも、お手ごろな価格で買えるかもしれません。またシャネル ファレルのようなすでに販売されていないコラボアイテムや限定商品にも出会える可能性もあります。

誰かが手放したアイテムを自身が使うことは、環境にやさしい買い物と言えます。シャネルが掲げるサステナブルな活動にも役立つでしょう。

歴代シャネルのデザイナーは数々の功績を残した人ばかり

シャネルの赤いバッグ

歴代シャネルのデザイナーはシャネルのブランド力を向上するため、数々の挑戦をしてきました。彼らがココ・シャネルに敬意を示し、数々のヒット作を世に生み出したことで、現在のシャネルの地位があります。ココ・シャネルとカール・ラガーフェルドの意志を引き継いだヴィルジニー・ヴィアールが、これからどのようにしてシャネルを発展させていくのか注目です。

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kaya
サムネイル: kaya
いつか欲しいものはエルメスのバーキン。それが似合う女になるべく、自分を磨いています。