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リサイクル素材で作られる商品とは?不要になった服で出来る環境に優しいこと

近年アパレル業界全体でも、リサイクル素材の利用が注目されています。ペットボトルなどの資源は、リサイクルにより服の繊維となり、さまざまなファッションアイテムへ生まれ変わることが可能です。ここでは、リサイクル素材の仕組み、リサイクル素材で生まれ変わる商品の例、リサイクル素材の利用に取り組むブランドを紹介します。

リサイクル素材の仕組み

ペットボトルの欠片

社会全体がサステナブルな価値観に注目する今、不要な日用品がリサイクルされ、洋服の繊維に生まれ変わる取り組みが活発化しています。ペットボトルや、不要になったコットン・ウールをリサイクル素材にすると、天然素材の使用を減らし、貴重な資源やエネルギーを守ることが可能です。

日用品がリサイクルされて素材になる

ペットボトルや、不要になったコットン・ウールは、リサイクル素材として生まれ変わることが可能です。リサイクル素材の利用を促進すると、天然素材の使用率が下がり、貴重な資源を保護できます。日用品をリサイクル素材にする取り組みを進めていけば、アパレル業界が抱える、廃棄問題の解決にもつながっていくでしょう。

特にペットボトルはリサイクルに向いていて、ペットボトルをリサイクルすると大量のエネルギーを節約でき、二酸化炭素の削減も期待できます。

繊維製品のリサイクル方法は2種類ある

近年アパレル業界で増えている、繊維製品のリサイクル方法はおもに2種類あります。よく使われる方法は、マテリアルリサイクル。この手法として、古着を裁断し、繊維をわた状にほぐしてから再活用する「反毛(はんもう)」などがあります。

もう1種類はケミカルリサイクルと呼ばれ、不要品を科学的に分解し、原料の状態まで戻してから再利用する方法です。コストが高くなりますが、完成した製品の質も良くなります。

これらの技術は日々向上し、より高品質な繊維がリサイクルによって生み出されています。それによりリサイクル素材から作られる製品も多様化し、私達がリサイクル素材で作った服を着る機会も増えていくでしょう。

リサイクル素材で生まれ変わる商品の例

ハンガーにかけられたセーター

リサイクル素材で生まれ変わる商品の例としては、不要になったウールをリサイクルして作ったニット、ペットボトルをリサイクルして作られたポロシャツなどがあります。リサイクル素材を使用して作る商品は、環境に優しいだけでなく、デザインや機能性など、商品としての良さを追求しているのも特徴です。

リサイクルウールを使ったニット

不要になったニットは、マテリアルリサイクルのひとつ、反毛という技術によってリサイクルが可能です。まず仕分け工場にウール製品を送り、ボタンなどを外してから、色や素材別に分けます。その後、生地を細かく砕いて糸にする工場へ。糸の強度を高めるため、ウールをリサイクル素材のナイロンと混合させて、リサイクル糸が完成です。

アパレルブランド「MARTHA ETHICAL(マーサエシカル)」では、できた糸を編み上げ、ニットのトップス、ワンピースといった、素材の風合いを生かしたアイテムに生まれ変わらせています。

リサイクルポリエステルを使用したポロシャツ

ペットボトルなど、不要なプラスチック製品から作られた、ポリエステルを使用した服が増えています。リサイクルポリエステルは、従来はスポーツ・アウトドアウェアによく使われていました。

現在はさまざまなブランドで、多様な商品にリサイクルポリエステルが採用されています。商品例として、ユニクロの「ドライEX」シリーズのポロシャツは、高いマテリアルリサイクルの技術で、高品質な商品を提供中です。

リサイクルコットンを使用したソックス

不要になったコットンも、リサイクル素材として再活用できます。KONTEX(コンテックス)では、アパレルの工場などで出たコットンくずと、ペットボトルから再生した糸で作ったソックスを販売。

完成したソックスは丈夫でクッション性があり、吸水性や速乾性に優れているなど、機能面も充実しています。

リサイクル素材の利用に取り組むブランド

繊維工場の機械

不要品をリサイクルし、服の繊維としてよみがえらせる技術の向上により、バーバリーやH&Mなど、有名ブランドもリサイクル素材の利用に乗り出しました。ここでは、リサイクル素材の利用に取り組むブランドを紹介します。

バーバリー

イギリスの老舗ブランドであるバーバリーも、リサイクル素材の活用に取り組んでいます。バーバリーは工業用プラスチックを再生した素材である、リサイクルナイロンで作ったトレンチコート、パーカーなどを販売。アイテムにリサイクル素材を使うだけでなく、包装やハンガーにもリサイクル素材を活用するなど、サステナブルな取り組みに意欲的です。

H&M

H&Mは、リサイクル素材の利用に力を入れているブランドのひとつです。緑色のタグが付いた「CONSCIOUS(コンシャス)」製品は、50パーセント以上がオーガニックコットン・リサイクルポリエステルなど、環境を意識した素材で作られています。

H&Mでは日々技術を革新し、リサイクル素材による多様なラインアップを実現。再利用した金属で作られたアクセサリーから、リサイクルポリエステルで作ったフェイクファーコートまで、アイディア溢れる商品を展開しています。

エコアルフ

ECOALF(エコアルフ)は、取り扱うアイテムすべてがリサイクル素材か、天然素材から作られている、スペインのブランド。ファッション業界が環境へ及ぼす影響に危機感を覚え、サステナブルなブランドとして誕生しました。

漁網やタイヤなど、ユニークな素材を独自の技術で、ファッションアイテムに生まれ変わらせています。廃タイヤから作られたサンダルなど、他ブランドには無い画期的なアイテムを扱っているのが特徴です。

私達ができるリサイクルの取り組み

ゴミ箱にゴミを捨てる人

個人でできるリサイクルの取り組みとしては、不要品をリサイクルショップやフリマアプリで売る、不要になった服を回収へ出す、ゴミの分別に協力するなどが考えられるでしょう。ここでは日常で実践できる、リサイクルを助ける行動を紹介します。

リサイクルショップやフリマアプリを利用する

家で眠っているアイテムをリサイクルショップで売ったり、フリマアプリで譲り渡したりするのも、私達ができるリサイクルの取り組みです。使わなくなった品を、必要とする人の手に渡すことで、新品を買う回数を減らし、廃棄するものも少なくできるので、資源・エネルギーの保護につながります。

不要になった服を回収へ出す

近年アパレルブランドが服を回収し、再利用する活動が増えています。不要になった服をブランドの回収に出すのも、私達にできるリサイクルの取り組みです。回収しているブランドはGU、ユニクロ、無印良品、H&M、ZARAなど。回収に出すとポイントや割引券が貰えるブランドもあるので、利用したいですね。

ゴミの分別に協力する

ゴミの分別に協力することも、私達がリサイクルのためにできる取り組み。日用品をきちんと分別してゴミに出すと、リサイクル率が上がり、ゴミを処理するエネルギーの節約につながります。ガラスびん、ペットボトル、缶、紙などは、自治体の分別方法をしっかり調べて、廃棄したいものです。

リサイクルへの意識を高め、リサイクル素材の製品を選ぼう

服を選ぶ女性

社会全体にサステナブルな意識が浸透するにつれ、リサイクル素材を取り入れるブランドが増えています。リサイクル素材を使った製品を選ぶことは、地球環境を守り、この先もずっとファッションが楽しめる社会作りへとつながっていくでしょう。リサイクルへの意識を高め、リサイクル素材を使用したアイテムを買い求めたいですね。

writer profile
aki
サムネイル: aki
ヴィンテージアイテムが大好きな27歳。海外の古着屋さん巡りで自分だけのアイテムを見つけるのが趣味。好きなブランドはMARNI。憧れブランドはCHANEL。