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コラム

【私たちのサステナブル Vol.4】地球に優しいアップサイクルな活動に取り組む山本朱美さん

リユースアイテムを活用して賢くオシャレになる方法をご紹介しているKÓMERUでは、サスティナブルなライフスタイルに注目しています。今回は、アップサイクルな宿を運営する株式会社マザーアース代表取締役であり、オーガニック美容ライターとしても活躍されている山本朱美さんにお話を伺いました。

目次

すべての命あるものが共存できる地球環境を維持すること

山本さんにとってサスティナブルとは?

海に向かって立つ女性

私にとってのサスティナブルとは、人間と自然界が愛を持って共存できる地球環境を維持すること。そのために重要なことは、すべての命あるものをリスペクトし、尊重すること。

また、ゼロウェイストを意識した消費を心がけたり、所有しているモノをリペアして使い続けたり、身近に存在する自然との繋がりに目を向けたり......と、地球から受けた恩恵に対して、愛を持って還元することだと考えます。

山本さんが注目されているサスティナブルな活動とは?

夕日が沈む砂浜と手に乗せた貝殻

ここ数年、サスティナブルやリサイクル、リユース、ゼロウェイストなど地球環境を配慮した考え方や行動を示す言葉を耳にするようになりましたが、「流行として」ではなく、それらが「あたりまえ」となるための世の中づくりに貢献しなければ、と感じていて。

サスティナブルなモノづくりの新たな方法論であるアップサイクルや、廃棄物を資源と捉えるサーキュラーエコノミー(循環型の経済)に注目しています。

どちらも、ゴミの削減を目標とした仕組みのことで、廃棄するのではなく、リユースしたモノに新たな価値を見出して経済を循環させる、素晴らしい取り組みだと思います。

アップサイクルな活動で環境問題に取り組む

山本さんが具体的に取り組まれているサスティナブルな活動を教えてください

海の中で泳ぐ女性

国内屈指の透明度を誇る沖縄北部の離島「瀬底島」に眠っていた琉球古民家を貸別荘に再生し、運営しております。また、現在住んでいる湘南の地でも借り手がつかず、廃墟と化したアパートをリノベーションし、宿泊施設に再生しました。

もともとSUPやスキンダイビングが趣味で、マリンスポーツがライフスタイルの一部でした。美しいサンゴ礁を求めて沖縄に行く機会が多く、キラキラとターコイズブルーに輝く海へ潜るたび「この海を守りたい」と考えるようになりました。

沖縄の海がきっかけでサスティナブルな活動を開始

南国の家と庭

沖縄の琉球古民家は、戦後間もなく建てられ、放置されていた地域財産でした。取り壊す前にレスキューし、昔ながらの独特な建築を残しつつ、リノベーションした施設です。ゲストだけでなく、地域の方々にも好評です。

どちらも、やみくもに土地を切り開くのではなく、古きものに新たな命を吹き込んだアップサイクルな施設。価値がないと思われていたものに価値を見出した施設なんです。今後もバケーションレンタルを増やす予定でおりますが、どこの地域でも、地球とその土地に敬意を表し、環境を尊重した新たな宿泊スタイルを提案して行きたいと思っています。

こちらは山本さんとご主人が運営されている会社の施設なのだとか。会社を立ち上げられたのはやはり、地球環境やサスティナブルへの強い思いがあったからでしょうか?

南国の家と庭

そうですね!もともと主人は10年ほど以前よりPEACE CRAFTという屋号で「誰かにとっての不要を誰かにとっての必要に」を理念として活動を続けております。

彼は、捨てられてしまう廃材や古材を使って店舗の内装やリノベーション、家具作りをしておりますが、古きものに命を吹き込んで価値のあるものを生み出す、まるでアートのような仕事を間近で見ており、私自身もアップサイクルやリユースに興味を持ち始めました。

ちなみに私たちの宿泊施設は、全て私たちの手でリノベーションをし、長く放置されていた廃材や、流木など、ナチュラルな素材を使って再生したんですよ!

また、夫婦で環境問題について勉強しておりますが地球の現状を知れば知るほど、自分たちの毎日の選択や行動が環境破壊に加担している現実に責任を感じるようになりました。

そこから「私たちにできることは無いのか?」と、2人で真剣に考え、環境問題に取り組み始めたことが起業したきっかけです。

ご夫婦で同じ思いを持って活動されているなんて素敵ですね!山本さんは美容ライターの実績を活かした活動もされているとか?

オリーブオイルとココナッツオイルとボウルに入った生地

そうなんです!美容ライターとしての経験を活かして、「ビューティーが地球のビューティーに繋がる」そんな活動を実践したいと考えています。

今後は、地球環境に影響を及ぼさない自然素材の石鹸づくりを推進するアースソープアクションや廃棄処理されるものを使ったプロダクト開発に力を入れる予定です。今はしっかりと基礎を学び、その道のプロとして販売できるように準備中です!

地球を第一に考えた行動が未来を変える

山本さんが関わっている活動のなかで大切にしていることはなんですか?

森の中の道を歩く二人の女性

私たちの身近に存在する自然を愛する気持ちが大切だと思っています。環境問題は規模が大きいため「こんなことをしても仕方ない!」と感じてしまいがちですが、一人ひとりが日々小さなことを積み重ねて、その行動が多くの人々に影響を与えることができれば、とても意義のあることだと思います。

例えばビーチでゴミを拾って帰る、マイカップを持ち歩いてみる、エコバックデビューをしてみる、など。日常生活でゴミを減らす意識をする、環境問題に目を向けてみることは、本当に素晴らしいアクションだと思うんです。

一人ひとりが責任を持つこと

サスティナブルとは、どのようなことを意識すべきでしょうか?

見晴らしのいいベンチに座る女性

生物界には生物同士の複雑なネットワークがあり、わたしたち人間の手が加わらないナチュラルな生態系があってこそ地球のバランスが維持できているそう。

無理に森林を伐採し、地中を掘り返して化石燃料を使い続け、限りある資源や他の生態系の命を食いつぶしてきた利己的な人間の罪は大きく、現段階の地球は、もはや「知らなかった」では済まされない段階に入りつつあると学びました。

まずは、現状を把握して意識を変えること。そして、私たちが作り上げてしまった今の状況に、一人ひとりが責任を持つことが大切なんだな...と思いました

リユースは最高のサスティナビリティ

環境汚染に大きな影響があるといわれているアパレル業界ですが、ファッションに対してどういった行動がサスティナブルにつながると思いますか?

テラスに座って庭を眺める女性

今までのファッション産業は、大量生産・大量消費・大量廃棄がメインですから地球環境へのダメージはとても大きい。

まずは業界が、足並みをそろえて利益重視のマインドを改革する必要があると感じます。環境を保持すること、それが企業理念の一部として自然に在るべきことだと思うんです。

また、エンドユーザーも「購入すること=ブランドの支援」になるため、ブランドを選んで購入すること自体に責任が発生していると感じます。

近年「リユース」がサスティナブルな消費のカタチとして注目されています。リユースに対してはどんな考えをお持ちですか?

断捨離が流行り、モノを捨てることが当たり前になりつつありますが、買い手が利己的に購入したものを不必要だからと捨てることはあまりにも無責任。

リユースは、最高のサスティナビリティだ思います!リユースの概念が地球環境をサポートすること、その選択肢が「あたりまえ」の世の中になると良いなぁと思います。

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JUNO
サムネイル: JUNO
趣味はカメラと美術館めぐり。アートからインスピレーションを得た自分だけのファッションを楽しむのが好き。