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【消費で社会貢献】フェアトレードファッションとは?おすすめブランドも紹介

フェアトレードとは公平な貿易という意味を持ち、ファッションにおいても注目されている言葉です。しかし欧米に比べて日本ではまだ知名度が低く、きちんとした言葉の意味を知らない人も多いかもしれません。本記事ではフェアトレードの意味やファッションとのつながり、フェアトレード製品を扱うブランドやセレクトショップを紹介します。

フェアトレードとファッションのつながり

フェアトレードは発展途上国と先進国とのあるべき関係を示すものであり、その意味を深く知ることが、私達の消費行動を見直すきっかけとなるでしょう。ここではフェアトレードの言葉の意味や、ファッション業界におけるフェアトレードについて解説します。

フェアトレードとは

フェアトレード(Fair Trade)を日本語に訳すると、「公平な貿易」となります。フェアトレードは発展途上国の原材料や工芸品に対し適正な価格を払い、労働者の生活を支え、自立を支援する活動のことです。かつて先進国の企業は利益を求めるあまり、発展途上国の労働者を低賃金で働かせたり、農薬を使いすぎた原料を買ったりするなど、労働者の生活や環境を犠牲にしている面がありました。弱者が犠牲になる現状を変えようと、主にコーヒー、紅茶、カカオ豆、オーガニックコットンなどの製品で、フェアトレードは浸透しています。

2013年の「ラナ・プラザ崩落事故」

フェアトレードはある悲劇をきっかけに、ファッションの分野で広がりを見せます。2013年、バングラデシュのビル「ラナ・プラザ」が崩壊し、死者1100人以上、負傷者2500人以上にもなる惨劇が起こりました。犠牲となったのはファストファッションの縫製工場で働く労働者達で、建物に亀裂が見つかっていたものの、それを無視してオーナーは営業したとされています。

救えたはずの命が多数失われたことに、世界中の人々は衝撃を受けました。以降、自分が着る服の生産過程に意識を向ける動きが活発化し、フェアトレードはファッションの分野で存在感を増していきます。

フェアトレードとあわせて知っておきたい言葉

フェアトレードにかかわる言葉として、「エシカル」や「サスティナブル」もよく使われるので、知っておきたいですね。エシカルは日本語にすると「道徳的な」という意味で、人の良心に従って商品を購入することを「エシカル消費」と呼称します。エシカル消費は配慮する対象が、「人・社会」「地球環境」「地域」の3つに分類され、フェアトレード製品の購入は「人・社会に配慮したエシカル消費」と言えるでしょう。

サスティナブルとは、「持続していける」という意味。ファッション業界は、服を生産する際に大量の廃棄物や汚染水などを出すことから、環境汚染への影響度が非常に高い業種と言われています。また労働者の職場環境や、動物の権利にも配慮することが、ファッション業界におけるサスティナブルと言えそうです。

日本でも徐々にフェアトレードが広まっている

欧米に比べるとやや遅れていますが、日本でもフェアトレードがファッション業界に浸透しつつあります。特にオーガニックコットンの普及は顕著で、さまざまな店舗でオーガニックコットン製品を購入できるでしょう。またフェアトレードなイベントも開催されており、オーガニックコットンを使ったウェディングドレスのショーなどが行われています。フェアトレードと向き合い実践する企業や、世界のフェアトレード製品をセレクトしたショップも増加中です。

3種類のフェアトレード

フェアトレードであることを示すラベルをチェックすると、フェアトレード製品か否かを簡単に見分けることが可能です。ここでは日本で多く見られる、フェアトレード製品のラベルを3つ紹介します。生活の中で意識してみてください。

1.国際フェアトレード認証ラベル

国際的なフェアトレードの基準を守っていると、付与されるのが国際フェアトレード認証ラベル。製品が基準を守っているかどうか判別するため、定期的に第三者機関による監査を行っています。このラベルが貼られた製品や、「フェアトレード調達プログラム」に参加した商品は、日本に約750点もあるので見つけたいですね。

2.フェアトレード団体(FTO)マーク

団体で扱う製品すべてが、フェアトレードであると認定するのが、フェアトレード団体マーク。このマークがあればその団体は、労働者や環境に配慮した製品のみを販売しているので安心ですね。マークは広報物などに掲載され、製品へラベル掲載するには別に認証取得が必要です。

3.その他のフェアトレード

日本に多いフェアトレードとして、パンダマークなど各企業や団体が基準を決めたものがあります。パンダマークのパンダはWWFのシンボルで、マークのついた服はオーガニックコットンを9割以上使用するなど、環境に優しい基準を満たしている製品です。

代表的なフェアトレードブランド

ファッション界には、フェアトレードの動きが広まる前から、環境保護や人権の尊重に取り組んでいたブランドが存在。ここでは早くからフェアトレードを実践している、代表的なブランドを4つ紹介します。

People Tree(ピープルツリー)

日本で設立したピープルツリーは、世界に先駆けたフェアトレード専門ブランドとして有名。過去には、女優エマ・ワトソンとのコラボレーションも行っていました。コットン製品の約8割にインド産のオーガニックコットンを使用しており、衣料品の他に食品や雑貨なども企画・販売しています。

Patagonia(パタゴニア)

良質なアウトドアウェアを手がけるパタゴニアは、環境保護やフェアトレードに意欲的なブランド。フェアトレードUSAとパートナーシップを結び、2014年よりフェアトレード認証済み衣類を生産しています。実店舗ではもちろん、オンラインストアでも300を越えるフェアトレード製品を購入可能です。

Stella McCartney(ステラ マッカートニー)

ステラ マッカートニーでは、動物の革・毛皮をいっさい使用しないという姿勢を、ブランドが始まってからずっと貫いています。他にも動物愛護協会や児童保護団体など、数多くの団体を支援していることで有名。オーガニック繊維や再生繊維の使用にこだわるなど、サスティナブルな環境作りに貢献しているブランドです。

UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)

2007年から、ユナイテッドアローズではフェアトレード製品を販売。また国連機関・国際貿易センターの取り組み「エシカル・ファッション・イニシアティブ」に参加し、2014年に「TEGE UNITED ARROWS」という新ブランドを展開しました。アフリカの現地スタッフと協力し、アフリカ文化を取り入れたエキゾチックなアイテムを発信しています。

日本国内のフェアトレードセレクトショップ

フェアトレードのファッションアイテムはオンラインでも購入できますが、実店舗で買い求めるのも良いですね。フェアトレード製品を取り扱うセレクトショップなら、商品を手に取って手触りを確かめたり、ショップスタッフから詳しい話を聞いたりできますよ。ここからは、地方別におすすめのセレクトショップを紹介します。

かぐれ(香具礼)

かぐれは、アーバンリサーチが運営するブランドのひとつ。フェアトレードやサスティナビリティを意識した、ブランドやデザイナーのアイテムを取り扱っています。服や雑貨はもちろん、オリジナルの天然コスメもありますよ。東京に2店舗、神奈川に1店舗を展開しています。家の近くに無い場合は、オンライン店舗も検討したいですね。

Enter the E

地球環境とファッションの両立を目指して、2019年に誕生したのが「Enter the E」。国内外を問わず、環境や人に優しい服だけを集めて販売しています。オンライン店舗を運営している他に、現在常設の店舗はありませんが、期間限定のポップアップストアを不定期でオープンしているので、覗いてみたいですね。

シサム工房

京都発祥のシサム工房は、本店のある京都の他に大阪・兵庫・東京にも店舗があります。1999年からフェアトレードショップとして20年以上運営している、エシカルファッション界の先駆け的ブランドです。映像でフェアトレードについて学べる「sisam cinema」など、イベントも開催しています。オンライン店舗もあるので、イベント情報と合わせて注目したいですね。

ファクトリエ

立ち上げ当初はオンライン店舗のみだったファクトリエは、現在熊本に本店がある他、銀座にフィッティングスペース、名古屋に実店舗があります。ファクトリエの山口代表は日本の職人が、この20年で大量に廃業している現状に危機感を覚え、メイドインジャパン製品と日本の職人を守るブランドを設立。国内約600の工場に足を運び、高い品質を保つために綿密なチェックをしています。広告を出さない、作っている工場や人の顔を出すなど、アパレル業界では異端とされるやり方で、日本の技術を守ることに貢献するブランドです。

フェアトレードファッションを取り入れて社会貢献を

服などの衣料品は、大量の地球資源を消費して生産されます。その事実を踏まえてファッション業界は、フェアトレードを含めたエシカルファッションへの取り組みを強化するべきでしょう。私達も認証ラベルがついたフェアトレード製品や、セレクトショップでのアイテム購入を通して、ファッションの未来を支えていきたいですね。

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IKUMI
サムネイル: IKUMI
ブランドをこよなく愛するアラサー女子。ヴィンテージシャネルとセリーヌ、バレンシアガが好き。