サムネイル
コラム

【連載 vol.36】実は環境への負荷が大きい!?スマホケースとサステナブルの関係性とは

「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」をテーマに、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルファッションを取り入れるヒントをエシカルコーディネーターのエバンズ亜莉沙さんが紹介。今回は、ファッションの一部になりつつあるスマホケースとサステナブルの関係について紹介!

現代ファッションの一部になりつつある“スマホケース”

スマホを持つ女性

スマホは現代に生きる私たちにとってなくてはならない存在となっています。
そんなスマホを衝撃から守ってくれるケースも今ではファッションの一部と言っても過言ではないかもしれません。

今回は、そんなスマホケースの意外にも大きな環境へのインパクトや課題、手放し方、そしておすすめのサステナブルなケースについてご紹介したいと思います!

新たな機種が発表される度に増えるスマホケースの廃棄

並ぶスマホケース

出典 Pela 360

機種変更をすると必然的にケースも買い換えないといけない場合がほとんど。
そんな時、皆さんはこれまで使っていたケースをどうしていますか?

プラスチックや革、アルミやシリコンなど、素材はさまざま。
燃えるゴミやリサイクル、または捨て方がわからず引き出しに保管したままのものもあるかもしれません。

個人が廃棄するケースも合わせれば多くありますが、生産しているメーカーから出るケースの廃棄数は想像を超えていました。
その数なんと年間で凡そ15億個・・・!

しかも、その多くは埋め立て処分されていると言うので更に衝撃です。

こういった廃棄数の問題はもちろん、いかに環境負荷なく手放していけるかが今後の課題です。

使い古したスマホケースの手放し方

スマホケースとリサイクルマーク

①リサイクルやコンポストの活用

使っているケースの素材が生分解性やリサイクルできる素材であれば、リサイクルやコンポストといった環境への負荷が低い方法で手放すのがベスト。
生分解性の場合は、実験的に家の庭やコンポストで分解の様子をみてみるのも楽しいかもしれません。
ただ、そのようなケースはまだまだ身近には少ないのも現状。

②回収システムの活用

コンポストや通常のリサイクルに出すことが難しければ、最近では使い終わったものを回収してくれるシステムも探すと見つけられたりします。

例えばこちらのプロジェクト:

iFaceなどのケースを専用のラベルを貼って送ることで回収、リサイクルされるというもの。
※2022年10月31日まで

<おすすめ>サステナブルなスマホケース

大人気メーカー CASETiFY から発表されたリサイクル素材ケース

スマホを持つ女性

Re/CASETiFYシリーズは、そんな廃棄物となるスマホケースの削減のため、使わなくなったスマホケースを回収→リサイクルして、ケースの65%にそのリサイクル素材や植物由来の素材を使用したスマホケースです。

また、CASETiFYはこのシリーズ以外にも企業全体で、「#droptozero(廃棄ゼロ)」の実現を目指し、様々な環境負荷の少ない素材でのケースの開発を進めています。

商品発送用のパッケージにも堆肥化可能な素材を採用したり、環境に優しいインクの使用にも力を入れているのは個人的にとても好感度が上がりました。

自然に還るケースの先駆者 Pela Case

スマホケース

世界で初めて100%土に還るスマホケースを発売したカナダ発のブランド。

独自開発された「Flaxstic™」は、亜麻の藁を植物由来のバイオポリマーに組み込み、堆肥化可能なバイオプラスチックのエラストマー(弾力ゴム)と組み合わせた素材。
さらに使われている藁は、亜麻仁油(アマニオイル)の元となる種子を収穫後、残った藁が畑で燃やされていることを知ったことをきっかけに、その廃棄物となる亜麻の藁を活用。土に埋めれば、堆肥として土に還るケースが誕生しました。

実際私も数年ここのケースを使っていた時期がありますが、デザインを褒められるだけでなく、機能性もバッチリ! とても丈夫で何度か落としてしまった時も無事無傷でした。

スマホだけでなく、AirPods や ウォッチストラップの取り扱いもありますのでよかったらチェックしてみてください。

毎日お世話になるものだからこそ、手放す時のことまで考えたい。
服から少し離れてしまったかもしれませんが、日々使うものとしてぜひこれをきっかけに次にスマホケースを選ぶ際や手放す時の基準に加えていただけたら嬉しいです。

writer profile
エバンズ亜莉沙
サムネイル: エバンズ亜莉沙
エバンズ亜莉沙(えばんず・ありさ):学生時代 米国オレゴン州で環境科学の授業に出会ったことをきっかけに、自分と世界の繋がりに気づく。2015年日本に帰国後、国際NGOでインターンをしながら、エシカル協会主催 フェアトレードコンシェルジュ認証 21歳で取得。同年世界一周を経験し、様々な人や文化に触れたことでさらに世界の抱える問題や解決策に興味関心を抱く。現在はフリーランスで『サステナブル』や『世界に自分に優しいライフスタイル』をキーワードに、SNSを中心とした発信、イベントへの登壇や、様々なプロジェクトのディレクター / コーディネーターを務める。