リサイクルメタルとは

まずは、リサイクルメタルの意味や特徴、注目される理由を紹介します。リサイクルメタルのことを知れば、普段の生活の中でサステナブルな活動に取り組めるでしょう。

リサイクルメタルの意味と特徴

リサイクルメタルとはリサイクルされた金属素材のこと。「リファインメタル（再生貴金属）」とも呼ばれ、使われなくなって廃棄された携帯電話やPC、家電などから採取した金属が再利用されています。

リサイクルメタルは都市鉱山とも呼ばれていて、独立行政法人物質・材料研究機構「わが国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵」によると、都市鉱山には日本だけでも金が約6,800トン、銀が約6万トンあるのだそう。すべての金属は再利用できませんが、多くの資源がリサイクルメタルとして活用される可能性があります。

リサイクルメタルが注目される理由

天然の鉱物資源である金属は、量に限りがあります。そこで地球環境に配慮された素材として期待されているのが、今ある資源を再利用して使えるようにしたリサイクルメタルです。リサイクルメタルはファッションなどの身近なものにも利用されているため、手軽にサステナブルな活動に取り組めるという点においても注目されています。

リサイクルメタルのメリット

資源を再利用する、リサイクルメタル。リサイクルメタルは環境だけではなく、生活に関わる物価についても良い影響を与えてくれます。ここではリサイクルメタルのメリットを紹介します。

資源を再利用しているので環境にやさしい

リサイクルメタルは、資源を再利用して新しいアイテムを作っているので、環境に優しくサステナブルです。ジュエリーの素材になる金や銀は、天然の鉱山から採取される資源。天然であるからこそ限りがあり、取り尽くしてしまえば無くなってしまいます。

また、鉱山の採掘は、エネルギーや労力など高いコストがかかります。加えて鉱山で採掘する際に出てくる排水や、鉱石から金属になる過程で排出される二酸化炭素の排出は、無視できない問題です。リサイクルメタルなら使われなくなったものを再利用するので、限りある天然素材の枯渇や環境破壊を防げます。

輸入に頼らず国内で製造できる

日本では、鉱山資源を輸入に頼っているのが現状です。特に貴金属のような世界情勢の影響を受ける資源は、価値が変動しやすく、高価になると、原材料費が高くなり、物価も上がります。資源をリサイクルすれば、輸入に頼らず国内で製造でき、物価も上がりにくいでしょう。

リサイクルメタルを使ったアイテム

リサイクルメタルは身近なものに利用されています。ここではリサイクルメタルを使った洋服やバッグ、時計、ジュエリーなど身近なアイテムを紹介します。

洋服やバッグに使用されているファスナー

リサイクルメタルは、洋服やバッグのファスナーにも使用されています。再利用しやすいように金属部分の耐食性を高くしたり、厚みを増して強度を高めたりすることが多いようです。金属部分だけではなく、テープ部分に再生ポリエステルを使っているファスナーもあります。

時計

時計には、ケースやストラップにリサイクル素材を使用したモデルがあります。リサイクルメタルを使った時計を作っているTRIWA（トリワ）は、暴力行為撲滅を推進しているNPO“IM Swedish Development Partner”とコラボ。違法銃器を回収して銃を溶かし不純物を取り除いて作られたヒューマニウムメタルで、時計や時計のケースを作っています。

リサイクルメタルを使ったお気に入りの時計を身に着けることで、武器による暴力行為の撲滅にも貢献できます。

ジュエリー

リサイクルメタルを使ったネックレスやリング、イヤリングなどのジュエリーが人気を集めています。近年SDGsの観点から環境に配慮した活動が注目されていて、その流れを受けてリサイクルメタルを使ったジュエリーを身に着けて楽しむ人が増えてきました。資源を再利用したリサイクルメタルも、以前からジュエリーに使われていた貴金属と変わりない輝きと魅力があります。

誰かが身に着けていたトレンドを過ぎたデザインのジュエリーも、再利用してリメイクすることで、現在のトレンドを反映したジュエリーに生まれ変わります。次項で、リサイクルメタルを扱うジュエリーブランドを紹介します。

リサイクルメタルを使ったアイテムがあるジュエリーブランド

リサイクルメタルは注目されていますが、まだ取り扱っているブランドは少ないのが現状です。ここでは、リサイクルメタルを使ったアイテムを取り扱っているジュエリーブランドを紹介します。

コフル バイ ヨンドシー（cofl by 4℃）

コフル バイ ヨンドシー（cofl by 4℃）は、4℃のサステナブルジュエリーブランド。リサイクルメタルやラボグロウンダイヤモンド（合成ダイヤモンド）などの、環境に配慮した素材を採用しています。丸や四角、三角などのモード感が感じられるモチーフを用いたデザインが特徴です。

ネックレスやリング、イヤリング、イヤーカフなど日常的に使えるアイテムが作られています。すっきりとしたシンプルなデザインのものが多いので、重ね着けもおすすめです。

ジュエリーだけではなく、環境保全のために売上の1％を森林保全団体へ寄付したり、素材調達から日本国内で完結させたりすることを目指しているブランドです。

エテ（ete）

エテ（ete）は、多くの人にジュエリーを楽しんでもらうことを考え、天然ダイヤモンドや貴金属だけではなく合成ダイヤモンドやリサイクルメタルを使ったジュエリーも作っているブランドです。研究所で天然ダイヤモンドが生み出される地質を研究し、人工的にダイヤモンドを再現してブランドアイテムに使用。また、安心して購入してもらうために製造国を開示しています。

エテは、持続可能な社会を目指してサステナブルな包装や素材の選定にも取り組み、アイテムだけではなく細部にまでこだわり、環境に配慮した商品を販売しています。

ジュエリーをリユースショップで購入するのもサステナブル

リサイクルメタルを使ったジュエリーを購入するのと同じように、サステイナブルな行動としてリユースアイテムの購入があります。リユースショップは、誰かが手放したアイテムを購入して再利用できるお店。近年、資源を大切にする活動が注目を集めています。リユースショップでアイテムを購入することは、資源を大切にして物の寿命を延ばすことにつながるのでサステナブルな活動です。

また、リユースショップでは今はお目にかかれないレアなアイテムに出会えたり、お気に入りのブランドアイテムがリーズナブルな価格で購入できたりするメリットがあります。中古品だけではなく、新品未使用のアイテムがあるのも魅力です。

サステナブルなリメイクジュエリーにも注目

リサイクルメタルと同様に、サステナブルなリメイクジュエリーにも注目しましょう。リユースショップの大手「KOMEHYO」では、リメイクジュエリーラインの展開があります。リメイクジュエリーとは、買取後のジュエリーをより魅力のあるアイテムに生まれ変わらせたジュエリーです。

古いジュエリーを、プロのプランナーが今風に作り直します。トレンドを取り入れたデザインでありながらも、人とは違った特別なアイテムが見つけられるかもしれません。宝石の質は変わらないので、サイズアップしたジュエリーをお得に手に入れられるのもメリットです。

リサイクルメタルを使ったアイテムでサステナブルファッションに

リサイクルメタルは、使わなくなった携帯電話や家電に使われている素材を再利用して作られる貴金属です。限りある天然資源の金や銀の採掘を行わなくて良いことと、資源を再利用することで環境に配慮された素材が入手できるとして注目されています。最近では、ジュエリーや時計の素材などとしても使われているので、手に取る機会も増えてきています。リサイクルメタルのことを知り、身に着けてサステナブルファッションを楽しんでみてくださいね。