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コラム

【連載 vol.18】ビニール傘をリメイクしておしゃれなバッグに!「PLASTICITY」のアイテム

「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」を軸に、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルを取り入れるヒントをエシカルコーディネータのエバンズ亜莉沙さんが解説。今回は、ビニール傘をリメイクしておしゃれアイテムにアップサイクルしている「PLASTICITY」を紹介します!

ビニール傘をリメイク!一点もののファッションアイテムの誕生裏

いよいよ今年も梅雨の時期到!湿気と蒸し暑さは好まない人が多いと思いますが、紫陽花が美しい季節となりました。

そんな雨降りの日々にぴったりなサステナブルなアイテムを今回は紹介します!

ビニール傘から作られたバッグと帽子

写真のバッグ、何から作られているか想像できますか?
みなさん一度は使ったことのあるアイテムのはずです。

正解は「ビニール傘」!!
急な雨、思わずコンビニに駆け込み、数百円のビニール傘を買った経験のある人は多いのではないでしょうか?私もその一人です。

実はリサイクルがとっても難しい「ビニール傘」

ビニール傘は、便利ではあるのですが、電車の中に忘れてしまったり、お店に忘れてきたり、ついつい「長く使うモノ」ではなく、「消費するモノ」になりがちだったりしますよね。

ビニール傘に関わらず、私たちとって、とても身近な「傘」。
実は世界と比較して日本はとにかく傘の消費が多い国なんです。しかも、世界で一番消費量が多いということ、みなさんご存知でしたでしょうか?

その数なんと年間約1億3000万本!(※参考:日本洋傘振興協議会)
さらに、ビニール傘はその内の8000万本と言われているのでこれまた衝撃です。

ビニール傘が放置されている様子

ビニール傘は分解のしにくさからリサイクルすることも難しく、その多くが埋め立て処理や焼却処分されていると言われています。

リサイクルする場合は機械で粉砕され、金属やプラスチックなど材料ごとに分別されますが、ビニール傘の場合、これがそう簡単にはいかないのです。

というのも、骨とビニールを固定するためには、強力な接着剤が使用されており、それを分解するのがまず一苦労・・・。

さらに、ビニール傘に使用している素材も必ずしも同じ素材ではなく、

・ポリエチレンやポリ塩化ビニル
・非結晶ポリオレフィン(APO)
・エチレンビニールアセート(EVA)

など多岐に渡り、見た目も似ている素材もあるため、簡単に素材の種類を見分けられないこともリサイクルを難しくしているそう。

ビニール傘をおしゃれなファッションアイテムにアップサイクル

そんな溢れる行き場をなくした傘たちを、日本国内で回収→分解→縫製 まで行い、バッグや帽子などにアップサイクルしているブランドがあるんです!

その名も「PLASTICITY」

“10年後になくなるべきブランド” という力強いキャッチコピーを掲げ、約3年前に立ち上がりました。

「PLASTIC」のバッグ

「PLASTIC」 の問題を抱える​「CITY」 にフォーカス。街中に溢れかえっているプラスチックの便利さから生まれた大量廃棄問題を解決していこうとしています。その1つがビニール傘です。「PLASTICITY」では、ビニール傘をアップサイクルした、バッグ・帽子などを販売しています。

ビニール傘をアップサイクルするにあたり、耐久性やデザイン性をじっくり研究し、ただ単に傘を分解して作り替えるだけではなく、特殊な “GLASS RAIN” という製法を開発し、商品を作っています。一枚では耐久性の弱いビニールを何層にも重ねてプレスすることで、丈夫な作りに!デザインも一点一点表情が違い、それぞれ個性あるアイテムとなってるのも魅力的。もちろん傘なので、中身が濡れたり汚れたりする心配もほとんどありません。

裁断から無駄を出さないシンプルな作りの中にも、サイズを変えて楽しめる工夫が凝らされていたり、持つ人の個性をも引き立たせる洗練されたデザインになっています。

ビニール傘と聞くと、透明な素材をイメージする人が多いと思いますが、透明なモノ以外にも、カラフルな傘を使用したアイテムも!

ビニール傘のアップサイクルの工程

ちなみに、トートバック(大)一つに使われる傘の数は約3本。
バッグに付いているタグ、糸は全てエコテックスにて認証された、100%リサイクル素材を利用したリサイクル糸を使用しているそうで、細部までこだわりがたっぷり。

今回は「傘」でしたが、このように身近にはサステナブルなアクションのヒントがまだまだ溢れています。
「PLASTICITY」のようなお洒落な一点もののアイテムがきっかけになって、普段の生活の中の「もったいない」を見つけてみることってなんだか楽しくも感じますね!

雨の日にできるサステナブルなアクション

ちなみに雨の日にできるサステナブルアクションとして、ビニール傘を買わなくて済むように傘を忘れずに持ち歩くことはもちろんですが、それでも突然の雨に降られてしまうことも・・・。
そんな時に助かるサービスがあるのをご存じでしょうか?最近では駅や商業施設の入り口などで見かけることが増えてきた、シェア傘の「アイカサ」というサービスです!

傘を忘れてしまった日でも、新しいものを買わずに、サッとレンタルできてしまう優れもの!
もし今度突然の雨に降られてしまうことがあれば、見つけてみてくださいね。

これからしばらくは続きそうな梅雨、アップサイクルなアイテムやクリエイティブなアイディアで楽しく一緒に乗り切りましょう〜!

そして、私がディレクションしているサステナブルなポップアップショップが、2021年6月に期間限定オープンしています!前回の記事で紹介させていただいた「indosole」さんや、今回紹介した「PLASTICITY」さんも出店中です。他にもたくさんのサステナブルアイテムが並ぶのでよろしければ遊びにいらしてください!

Love action
〜わたしと地球を愛するマーケット〜

期間 : 2021年6月8日(火)〜6月20日(日)
場所 : ルミネ新宿2 2F AMERI前
時間 : 11:00〜20:00
主催 : @sayakadept @alisa_f
トレンドになりつつある「サステナブル」や「エシカル」。その言葉で終わらせることなく、その先にある「愛のある行動」につなげてほしい。生産者や作り手、消費者一人ひとりが、お互いを思いやる。そして、愛のある行動を起こす仲間を増やし、私たちや地球に優しい世界をつくる。このポップアップショップが、あなたの「Love action」を実践するきっかけに。

writer profile
エバンズ亜莉沙
サムネイル: エバンズ亜莉沙
エバンズ亜莉沙(えばんず・ありさ):学生時代 米国オレゴン州で環境科学の授業に出会ったことをきっかけに、自分と世界の繋がりに気づく。2015年日本に帰国後、国際NGOでインターンをしながら、エシカル協会主催 フェアトレードコンシェルジュ認証 21歳で取得。同年世界一周を経験し、様々な人や文化に触れたことでさらに世界の抱える問題や解決策に興味関心を抱く。現在はフリーランスで『サステナブル』や『世界に自分に優しいライフスタイル』をキーワードに、SNSを中心とした発信、イベントへの登壇や、様々なプロジェクトのディレクター / コーディネーターを務める。