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コラム

【連載 vol.22】「マイクロトレンド」とは?本当にお気に入りの一着を手に入れよう!

「クローゼットからはじまるサステナブル」では、「サステナビリティ×ファッション」をテーマに、決して難しくない、肩のチカラを抜いてサステナブルファッションを取り入れるヒントをエシカルコーディネータのエバンズ亜莉沙さんが紹介。今回は「マイクロトレンド」とファッションについて紹介します。

マイクロトレンドに注目すると運命の一着に出会えるかも!?

みなさんは、「マイクロトレンド」という言葉を聞いたことはありますか?

マイクロトレンドとは、通常のトレンドに比べて比較的小さく、どこで始まったかがわかりにくいトレンドのことです。

TVや雑誌などで「今年は●●がブーム!!」と大々的に取り上げられるブームとは異なり、インフルエンサーなどが「私、●●がお気に入りです」という発信をきっかけに、その界隈の人々の間でトレンドになったりする様子をイメージすると分かりやすいと思います!

つまり、マイクロトレンドは「流行に乗っかる」という楽しみ方ではなく、「私が気に入ったから、好きだから手に入れる」という志向が集まった結果生まれるトレンドのこと。

携帯画面を見る人々

今回は、ちょっとテーマが難しいかもしれませんが、私がいま、とても気になっている「マイクロトレンドがアパレル業界に与える影響」について、考えていきたいと思います!

マイクロトレンドがアパレル業界に与える影響とは?

マイクロトレンドが増えることで、アパレル業界や私たちにどういう影響を与えるのか?

それは、「流行りのファッションを取りあえず楽しむ」だけではなく、「私が気に入った一着を楽しむ」という考えが増えていくということ。

流行りのファッションを楽しむことそのものがNGではありません。その年ごとに新しいトレンドに出会い、着飾ることはとっても気持ちが上がることですよね!

でも、一方で、これまではこの流行りのファッションにアパレル業界が乗っかり過ぎてしまい、洋服を大量生産したのに、売れなければ大量に洋服を破棄してしまうことに繋がってしまっていた一面も。

衣類が大量に破棄されている様子

ですが、マイクロトレンドが広まることで、このアパレル業界の負のサイクルをいい意味で崩していく可能性があるんです。

流行りのファッションをただ闇雲に楽しむだけではなく、自分のお気に入りのアイテムを厳選して購入する人が増えることで、アパレル業界が大量生産すれば服が売れるという考え方から、トレンドアイテムは生産するけど、闇雲に大量生産すれば服が売れる時代ではない、人々が欲しいと思っているアイテムを作っていこうという流れに変わっていくと思うから・・・。

これからは必要とされているものを必要な分だけ作ることでその無駄を減らしていき、企業も個人もサステナブルにファッションと関わっていくのが当たり前の時代になっていくといいなぁと思っています!

洋服と映る女性

マイクロトレンドと相性がぴったりな「受注生産」

マイクロトレンドのアイテムは、大量生産とは相性が悪く、「必要とされるものを必要な分だけ作る」という「受注生産」の考え方と相性がぴったり。

例えば、「花の命を着る。」をコンセプトに展開しているランジェリーブランドの「Liv:ra(リブラ)」は、上質なシルクとオーガニックコットンを2000年前から日本に伝わる伝統草木染めで染め上げた、天然の植物の癒しのランジェリーを生産していますが、受注生産の形態を取っています。

このような受注生産の形は手元にアイテムが届くまでに時間はかかりますが、必要な分だけを生産しているので商品が余って破棄されてしまうようなことはありません。
※「早く届かないかなぁ」とワクワクしながら待つ時間も私は結構好きだったりします!

トレンドファッションを楽しむだけではなく、マイクロトレンドにも目を向けて、お気に入りのアイテムを見つけ、長く大切に着ていくことも、サステナブルにファッションを楽しむ方法の一つ。

ぜひ、皆さんも、マイクロトレンドに少し意識を向けてみて、お気に入りの一着を見つけてみてください!

writer profile
エバンズ亜莉沙
サムネイル: エバンズ亜莉沙
エバンズ亜莉沙(えばんず・ありさ):学生時代 米国オレゴン州で環境科学の授業に出会ったことをきっかけに、自分と世界の繋がりに気づく。2015年日本に帰国後、国際NGOでインターンをしながら、エシカル協会主催 フェアトレードコンシェルジュ認証 21歳で取得。同年世界一周を経験し、様々な人や文化に触れたことでさらに世界の抱える問題や解決策に興味関心を抱く。現在はフリーランスで『サステナブル』や『世界に自分に優しいライフスタイル』をキーワードに、SNSを中心とした発信、イベントへの登壇や、様々なプロジェクトのディレクター / コーディネーターを務める。