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洋服・靴

洋服のサステナブルな洗濯方法とは。洋服を長持ちさせる洗濯・お手入れ方法も

私達が日々行う洋服の洗濯には、大量の水を消費しており環境への影響が心配です。また、化学繊維の洋服を洗濯した際にマイクロプラスチックが流れ出してしまう問題も。日々の洗濯方法を見直し、環境に優しい洗濯をすることはサステナブルな取り組みとなります。ここでは洋服のサステナブルな洗濯方法、長持ちさせる洗濯のコツなどを紹介します。

洋服の洗濯が環境へ及ぼす影響

かごに入った洗濯物

出典 shutterstock

洋服の洗濯には毎回大量の水や電力を消費しており、環境への影響は避けられません。また、化学繊維を使用した洋服を洗濯すると、マイクロプラスチックが流れ出てしまうことも問題視されています。

洋服の洗濯は大量の水を消費する

洗濯機のドラムの内部

出典 shutterstock

洗濯には毎回大量の水を使用し、洗濯後はそれらが汚水となって排水されるため、環境へ影響を及ぼします。日本は他の国より洗濯の回数が多く、その分多くの水と電気を消費しています。乾燥機も使用した場合は、さらに電気の消費量も増えるでしょう。

電気を消費しすぎると、天然ガスや石炭、石油といった発電に必要な地球資源が減ってしまう上に、火力発電は地球温暖化にも影響するとされています。

化学繊維でできた洋服を洗濯するとマイクロプラスチックが出る

化学繊維で作られた洋服を洗濯すると、マイクロプラスチックが流れ出ることも環境問題となっています。マイクロプラスチックとは、直径5ミリメートル以下の小さなプラスチックのことです。

化学繊維で作られた服を洗濯すると、このマイクロプラスチックが汚水と一緒に流れ出てしまいます。排出されたマイクロプラスチックは海へと流れ込み、魚など海洋生物の体内へ。そして魚を食べる私達人間や、動物にも影響を及ぼします。

マイクロプラスチックに関して、詳しくはこちらの記事で解説しています。

洋服のサステナブルな洗濯方法とは

洗濯機が置かれた部屋

出典 shutterstock

洋服のサステナブルな洗濯方法には、洗濯の回数を減らす、マイクロプラスチックをキャッチする洗濯ネットを使うなどがあります。ここでは、日々の洗濯をサステナブルにする方法を紹介します。

洋服を洗濯する回数を減らす

洗濯が環境へ与える影響を減らすために、一番良いのは洋服を洗濯する回数を減らすこと。キレイ好きな日本人は頻繁に洗濯をしますが、海外では数日分の洗濯物をまとめて洗うことも珍しくありません。

洋服を洗濯する回数を減らすと、汚水や洗剤の量、電気の消費量を抑えられるだけでなく、大切な洋服が長持ちするというメリットもあります。

洗濯ネットを使用しマイクロプラスチックをキャッチする

洗濯ネットを使用する女性

出典 shutterstock

洋服を洗濯する際は、環境に配慮して開発された洗濯ネットを使うことで、マイクロプラスチックの流出を防げます。ドイツのNPOが開発した「グッピーフレンド・ウォッシング・バッグ」は、非常に目の細かい洗濯ネットです。

使用すると化学繊維の服を洗濯した時に、抜け落ちる繊維の量が減ります。流れ出た繊維も洗濯ネットにとどまるので安心です。こうしたアイテムを使用すると、排水へ流れ出すマイクロプラスチックが減るとともに、抜け落ちる繊維が減って洋服自体も長持ちします。

環境に優しい洗剤を使用する

テーブルに置かれたタオルと洗剤

出典 shutterstock

私達が普段使っている洗濯用の合成洗剤は、汚水として川や海へ流れ出ると、生態系を壊してしまう恐れがあります。自然由来の成分を使用しているなど、環境へ優しい洗剤を使うとサステナブルです。また、洗濯の際に洗剤を入れすぎない、汚れている部分にのみ洗剤を使うなどの方法もあります。

お風呂の残り湯で洗濯する

浴室に置かれたバスタブ

出典 shutterstock

昔からお風呂の残り湯で洗濯する人は多くいましたが、これもサステナブルな洗濯方法の1つ。お湯で洗えば汚れが落ちやすくなる効果もあります。洗濯機のすすぎではキレイな水道水が使われるため、衛生面においても問題ありません。

自然乾燥を利用する

洗濯物を外干しする女性

出典 shutterstock

最近では洗濯機と乾燥機が一体になっている製品も多く、洗濯後に乾燥機能を使うケースも増えているかもしれません。乾燥機は便利な存在ですが、大量の電気を消費します。

可能な限り外干しや室内干しなど、自然乾燥を利用したほうがサステナブルです。特に晴れの日は外干しすると乾きやすいので、天気の良い日は屋外に干すと良いですね。

洋服を長持ちさせる洗濯・お手入れ方法

洗濯した衣類を手に取る女性

出典 shutterstock

大切な洋服を長持ちさせるには洗濯する基準を見直すことに加え、デリケートな素材の洋服は手洗いするのがおすすめ。また、普段のお手入れ方法にも気を配ると、洋服をキレイな状態のまま永く愛用できます。

【洗濯】洋服を洗濯する基準を見直す

一度着ただけで洋服を洗濯する人も多くいますが、過剰な洗濯は洋服を傷めてしまうことも。大切な洋服を長持ちさせるには、洗濯する基準を見直すことが有効です。

洋服を洗う前に洗濯が必要かを考え、できるだけ洗濯の回数を減らすと大切な洋服が永く着られます。例としてジーンズなどのボトムスは数回着用した後か、汚れのひどい時に洗うなど自分の中で基準を決めると良いでしょう。

【洗濯】デリケートな素材の洋服は手洗いする

洗濯物を手洗いする女性

出典 shutterstock

デリケートな素材の洋服を長持ちさせるには、手洗いがおすすめです。洋服のタグについている洗濯表示を確認して、素材に適した洗濯方法を実践しましょう。

特にシルクやカシミアなど、高級素材を使ったアイテムは手洗いしたいものです。手洗いの際はぬるま湯に洗剤を入れ、浸け置きしてから洗うと汚れが落ちやすくなります。乾かす時も乾燥機は使わず、陰干しを。

【お手入れ】アイロンを使う際は洗濯表示に従う

衣類のタグをつかむ手

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アイロンを使う際は必ず洗濯表示を事前にチェックし、洋服を傷めないためにも素材に適した温度・方法でアイロンがけをしましょう。デリケートな素材はドライアイロンより、スチームアイロンや衣類スチーマーを使用したほうが洋服を傷めません。

ウールやシルクなど、当て布が必要な素材には必ず当て布をしてアイロンを使います。洗濯表示でアイロン禁止になっている場合はアイロンをせず、形を整えるようにして吊り干しします。

【お手入れ】コートやスーツはブラシをかけてから収納する

コートやスーツなどのアウターは、着た後にブラシで表面のほこりを取り除いてから収納すると長持ちします。クリーニング店のドライクリーニングに出すと、洋服は薬剤によるダメージを受けるため、利用し過ぎないよう注意しましょう。

ジャケットやスーツは毎日着ることを避け、1日おきに違うものを着て休息させると洋服の寿命が延びます。型崩れを避けるため保管の際は細いハンガーではなく、厚みのあるしっかりとしたものを使うと良いですね。

洋服を長持ちさせる方法はこちらでも紹介しています。

洋服をお手入れし長持ちさせることのメリット

クローゼットから洋服を取り出す女性

出典 shutterstock

洋服をお手入れして大切に使うと、お気に入りのデザインの服を永く着られるだけでなく、廃棄品が減り環境に優しいというメリットもあります。また、大切に着た洋服は着なくなった時に、リユースショップで売れるのも嬉しいポイントです。

お気に入りの洋服を永く着られる

洗濯回数を減らすと洋服へのダメージも減少させられるので、好きな洋服を永く着用できます。デザインが気に入った洋服や好きなブランドの洋服など、大切なアイテムが着られなくなってしまうのは悲しいものです。お気に入りの洋服は、常に正しいお手入れや洗濯方法を心がけたいですね。

環境に優しくおしゃれが楽しめる

近年ではまだ着られる洋服が大量に廃棄されることが、深刻な環境問題になっています。丁寧な洗濯をして洋服を長持ちさせると、その分捨てる服が減るので、環境に優しいサステナブルなおしゃれが楽しめるでしょう。

着なくなった時にリユースショップで売れる

洋服を丁寧に洗濯すると良い状態が保てるため、不要になった際にリユースショップで売れることもメリットです。リユースショップは状態の良いアイテムほど高い値段が付きます。反面、あまりに状態が悪いと買い取ってもらえないことも。

リユースショップで不要な洋服を売買することは、洗濯方法の改善と同じように、個人でできるサステナブルな行動と言えるでしょう。最近では宅配買取を実施しているリユースショップも多く、在宅しながら気軽に利用できます。洗濯を始め、大切な洋服は手放す時のことも考えて日々お手入れしたいですね。

サステナブルな洗濯方法を知り大切な洋服を長持ちさせよう

洗濯機が置かれた部屋

出典 shutterstock

洋服をサステナブルに洗濯するには、まず洗濯回数を減らすことが重要。その上で環境に優しい洗剤を使うなどの工夫をしたいものです。また、洗濯回数を減らすと洋服が良い状態で長持ちし、着なくなった時にリユースショップで売れるなど嬉しいメリットもあります。洋服のサステナブルな洗濯方法を知り、大切な服を長持ちさせてみませんか。

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IKUMI
サムネイル: IKUMI
ブランドをこよなく愛するアラサー女子。ヴィンテージシャネルとセリーヌ、バレンシアガが好き。