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コラム

ファッション業界における「メゾン」の意味。ブランドとの違いは?

ファッション業界では、エルメスやシャネルなどのハイブランドがメゾンに分類されます。しかし、メゾンの意味や、ブランドとの違いがわからない人もいるでしょう。本記事では、メゾンとブランドの違いについて解説。また、メゾンブランドについても紹介します。

ファッション業界のメゾンの意味とブランドとの違い

服のデザインをしている人の手元

出典 Shutterstock

メゾンには複数の意味があります。フランス語の意味とファッション業界の意味では異なるため、まずは違いを確認しましょう。ここでは、メゾンの意味やブランドとの違いを解説します。

メゾンの意味

メゾン(maison)とはフランス語で、家・建物という意味。しかしファッション業界では、会社や店という意味を持ちます。

メゾンは商品のことを指すのではなく、あくまでも会社やお店の形態のことをいい、オートクチュールのブティックやデザイナーがとりまとめている会社が該当します。

メゾンとブランドの違い

会社や店という意味を持つメゾンに対して、ブランドは商品や商標そのものを指します。独自性の高いネーミングを持っていることが多く、名称やロゴ、デザイン、キャッチコピーなどで商品やサービスを区別しています。

ブランドは、自分に価値のあるサービスや製品を識別できるため、消費者の価値観が大きく関わるのが特徴です。

メゾンの使い方

明確な定義はないですが、メゾンは一般的にトップレベルのハイブランドに使うことが多いです。そもそもオートクチュールとは、サンディカと呼ばれるパリの高級衣裳店組合の加盟店が、規約に則って作った最高級仕立ての一点物のこと。

メゾンはサンディカの規約に沿って運営しており、所属していなければ名乗れません。しかし、規約がとても厳しく、多くの会社が脱退をしているのが現状です。現在は、シャネル(CHANEL)、クリスチャンディオール(Christian Dior)、ジバンシー(Givenchy)、ヴァレンティノ(Valentino)などが加盟しています。

メゾン①メゾン マルジェラ(Maison Margiela)

メゾン マルジェラは、フランスを拠点としているメゾンです。カレンダータグや足袋のようなシューズなど洗練されたデザインが特徴です。

メゾン マルジェラについて

1988年にパリでマルタン・マルジェラによって創業されたメゾンマルジェラ。このメゾン マルジェラは、数字を丸で囲ったカレンダータグが特徴です。この数字には、「0:手仕事により、フォルムをつくり直した女性のための服」「3:フレグランスのコレクション」などの意味が込められています。

ブランドではなく服そのものの魅力を感じてほしいとマルジェラの思いが込められ、あえてタグが外しやすくなっている商品もあります。

バッグ「5AC」

カーキのトートバッグ

メゾン マルジェラの特徴的なタグが縫い付けられたバッグ。11は「 女性と男性のためのアクセサリーコレクション」を意味しています。カジュアルのなかにもチェーンが華やかさを演出してくれるバッグです。

シューズ「Tabi ブーツ」

足袋のようなつま先の形をしたカーキのブーツ

メゾン マルジェラの定番アイテムであるタビシューズは、日本の足袋からヒントを得て作られました。このシリーズは、ブーツやサンダル、スニーカーなどラインナップが豊富です。

メゾン②エルメス(HERMÈS)

馬車と従者をイメージしたロゴとオレンジのカラーが印象的なエルメス。憧れる人が多いエルメスについて紹介します。

エルメスについて

1837年にパリでティエリ・エルメスが高級馬具工房を開業。のちに上質な皮革を使用して鞄や財布などをつくり出す皮革製品事業へと移し、エルメスが誕生しました。すべて職人の手によって作り出されるエルメス製品の多くには、職人ナンバーやアトリエを示す英数字などが刻印されています。希少価値の高いバーキンを筆頭に、世界で初めてファスナーを採用したボリードなど人々を魅了するアイテムが揃ったメゾンです。

バッグ「バーキン」

エルメスのバーキン

エルメスの代表的アイテムであるバーキン。イギリス出身で女優、歌手、モデルとして活動するジェーン・バーキン(Jane Birkin)にちなんで名付けられました。

当時のエルメスの社長であるジャン=ルイ・デュマ(Jean-Louis Dumas)氏とジェーン・バーキン氏が飛行機で偶然隣り合わせ、ジェーン・バーキン氏の要望に合ったバッグを考案したのが成り立ちです。中古であっても価格が上昇傾向にあることから、資産価値の高いバッグとして人気を誇っています。

指輪「コリエ ド シアン リング」

エルメスのピンクゴールドのリング

1949年に誕生し、エルメスを代表するデザインのリング。フランス語で「犬の首輪」を意味しており、丸みを帯びたピラミッドのスタッズと鈴がモチーフとなっています。クールかつエレガントなスタイルにぴったりです。

メゾン③クリスチャンディオール(Christian Dior)

エレガントで女性らしさを感じさせるクリスチャンディオール。幅広い年代の女性達から支持されているクリスチャンディオールについて紹介します。

クリスチャンディオールについて

マルセル・ブサックがメゾンで働いていたディオールの才能に目を留め、援助してくれたのをきっかけに1946年、自身の名前を起用したクリスチャンディオール オートクチュールメゾンを創業しました。1947年には、クリスチャン ディオール初のオートクチュールのコレクションを開催。女性らしいシルエットと贅沢な素材が人気を博しています。

バッグ「LADY DIOR」

DIORの黒いショルダーバッグ

ダイアナ元妃が愛用していたショルダーバッグ。エレガントかつフェミニンな印象を与え、ロゴをかたどったチャームがアクセントになっています。このシリーズでは、サイズやカラーが豊富に展開されています。

ネックレス「ミミウィ」

DIORの一粒ダイヤネックレス

一粒ダイヤが美しく輝くネックレス。ゴールドでより華やかな印象を与えます。シンプルなデザインなので、オフィスカジュアルやフォーマルまでどんなコーデにも合うでしょう。

メゾン④シャネル(CHANEL)

マトラッセやカメリアなど、代表的な作品を数多く生み出しているシャネル。ここでは、長い月日を経ても変わらず、多くの女性から愛されているシャネルについて紹介します。

シャネルについて

シャネルは1909年、通称はココ・シャネルことガブリエル・シャネルが設立したブランドです。1915年に貴族や富裕層を相手にした「メゾン・ド・クチュール」をオープン。世界で最も有名な香水「NO.5」を始め、ジュエリーやバッグ、財布、時計、コスメなどを幅広く手掛けています。

バッグ「マトラッセ」

シャネルのマトラッセ

シャネルといえばチェーンバッグのマトラッセ。ふっくらと膨らんだキルティングモチーフが特徴のバッグです。黒とゴールドのカラーは、シーンを選ばず使えます。

指輪「カメリア フルダイヤ」

ダイヤがあしらわれたゴールドリング

シャネルが好んだカメリアの花をモチーフにしたフルダイヤのリング。ダイヤモンドが散りばめられたゴージャスなデザインで手元を美しく見せます。

メゾン⑤イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)

コスメや香水の他、バッグやウェアなどさまざまなアイテムを手掛けるイヴ・サンローラン。最後にイヴ・サンローランについて紹介します。

イヴ・サンローランについて

1961年にイヴ・サンローランが恋人と実業家とともにオートクチュールメゾンとしてイヴ・サンローランを創業。デザインコンクールに入賞したことをきっかけに、クリスチャンディオールに見出され、後継者として育てられました。バッグやジュエリーの他、1978年に誕生したコスメアップラインは多くの女性から高い支持を得ています。

財布「モノグラム コンパクト」

YSLのロゴがついたベージュの財布

オーバーステッチのキルティングにYSLの金具が施された財布。かさばらず持ち歩きしやすい二つ折りの財布で大人女子にぴったりです。

バッグ「ヴィッキー」

ゴールドチェーンのショルダーバッグ

コーデのアクセントにもなるイヴ・サンローランらしいブラック×ゴールドの組み合わせのショルダーバッグ。ショルダーバッグとしてはもちろん、クロスボディバッグとしても使えるように、チェーンは長めの仕様です。

メゾンの意味を理解して、ファッションを楽しもう

綺麗にディスプレイされた店内

出典 Shutterstock

エルメスやシャネル、イヴ・サンローランなど世界の人々を魅了するメゾン。厳しい規約をクリアし、世に生まれたアイテムはそれぞれ創立者達の想いが強く込められています。メゾンについて理解し、ファッションをより楽しみましょう。

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rino
サムネイル: rino
スタイルのお手本は自由に生きるパリジェンヌ達。作り込み過ぎないシックなスタイルが得意。