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サステナブル・シーフードとは|海の環境問題や漁業の課題と企業の取り組み事例

サステナブル・シーフードとは、海の環境や資源に配慮し、適切に管理された水産物のこと。海ではさまざまな環境問題が起きており、将来的に魚介類を食べることができなくなるかもしれないと言われています。本記事では、サステナブル・シーフードについて解説するとともに、企業の事例や個人でできる取り組みについて紹介します。

サステナブル・シーフードとは

並べられた水産物と氷

出典 Shutterstock

サステナブル・シーフードとは、将来も変わらずシーフードを食べ続けられるよう環境に配慮し、適切に管理された方法で漁獲、養殖された魚介類のことです。将来もこれまでと同じように新鮮な魚介類が食べられるよう、また豊かな海の資源を守っていけるようにと、世界中でサステナブルシーフードが注目されています。

サステナブル・シーフードは、天然と養殖の2種類。それぞれMSC認証・ASC認証という認証を取得する必要があります。さらに、消費者の元へ魚介類が届けられる過程で関わる業者に対しても、CoC認証の取得を義務付けています。

サステナブル・シーフードが注目されている背景

海の上の漁船

出典 Shutterstock

サステナブル・シーフードが注目されている背景には、水産物の減少や海洋汚染などが大きく関わっています。世界が抱える問題について解説します。

水産物の減少

世界の人口が増加し続けているため、魚介類などの消費量や需要が増え、水産物が減少しています。1970年と比較すると、海洋生物は約半分まで減ってしまいました。

また、世界の水産資源のうち、30パーセント以上が水準を超えた過剰漁獲を行っており、魚種によっては絶滅の危機に。特定の魚種が減少してしまうと、海の生態系崩壊が起こると懸念されています。

海洋汚染

浜辺に打ち上げられたプラスチックゴミ

出典 Shutterstock

ゴミが海に投棄されることによって海洋が汚染され、海洋生物の生態系にも影響を与えています。海に投棄されるゴミの6〜8割は、プラスチックです。このプラスチックを海洋生物が誤飲してしまう深刻な事態が起きているのです。さらに2050年には、魚よりもプラスチックゴミの量が上回ると危惧されています。

また、工場排水や家庭からの生活排水が海へ流れ込むことにより、プランクトンが大量に繁殖。その結果、海中の酸素量が減少してしまうことも問題となっています。

海の酸性化

海が酸性化していることで、海洋生物がうまく育たないことも問題視されています。海洋は、大気中に排出されている二酸化炭素を吸収していますが、産業革命以降、二酸化炭素量が増加。その結果、海洋に二酸化炭素が蓄積され酸性化が進行し、海洋生物の成長が妨げられています。

サンゴは酸性化による影響を受けやすいため、成長しにくくなるだけでなくサンゴに住んでいる生物にも悪影響を与えています。

サステナブル・シーフードの3つの認証

新鮮な魚たち

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サステナブル・シーフードには3つの認証があります。それらの認証を受けなければ、サステナブル・シーフードとは呼べません。3つの認証マークについて、解説します。

天然の水産物に付けられる「MSC認証」

MSC認証とは、水産資源と環境に配慮し、適切に管理された漁業で獲られた天然の水産物を認証したものです。青いマークのMSC認証のラベルが付けられており、「海のエコラベル」とも言われています。この認証が付けられている水産物は、認証を受けた漁業までさかのぼれることが特徴です。

MSC認証は、「資源の持続可能性」、「漁業が生態系に与える影響」、「漁業の管理システム」の3原則に基づいた28の業績評価指標に照らし合わせて審査が行われ、5年ごとに認証の更新を行わなければなりません。また、MSC認証の規格は5年に一度見直しをされているため、海の環境問題で優先すべき課題が常に反映されています。

養殖の水産物に付けられる「ASC認証」

ASC認証とは、環境と社会に配慮し、持続可能な養殖による水産物を認証したものです。水色のマークでASC認証の対象である12種類の魚介類に付けられています。

<12種類の魚介類>
サケ、ブリ・スギ類、淡水マス、シーバス・タイ・オオニベ類、ヒラメ、熱帯魚類、パンガシウス、ティラピア、エビ、アワビ、二枚貝(カキ、ホタテ、アサリ、ムール貝)、 海藻

技術やシステムの進化により成長してきた養殖に対しても、環境に配慮した早急な対策が必要です。そこで、ASC認証の重要性が注目されています。

商品の管理に必要な「CoC認証」

CoC認証とは、MSC・ASCの認証を受けた水産物の加工や流通を管理している業者・小売店のための認証です。また、MSC・ASC認証の商品を販売するためには、CoC認証を受ける必要があります。

CoC認証を受けた業者や小売店は、MSC・ASC認証を受けた水産物が、他の水産物と混ざらないようにする義務があります。CoC認証があると、認証を受けた水産物の流通経路を辿れるようになります。

サステナブル・シーフードの取り組みを行っている企業の事例

社員食堂に並べられた食事

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日本国内においても海の環境問題を意識し、サステナブル・シーフードを積極的に取り入れる企業が増えてきました。サステナブル・シーフードの取り組みを行っている企業の事例を2つ紹介します。

日本で初めて社員食堂にサステナブル・シーフードを導入

日本で初めて、社員食堂にMSC・ASC認証された食事を継続的に提供している企業があります。このサステナブル・シーフードを使った食事は、選択率が30パーセントを超えるほどの人気メニューに。

これは企業が率先してサステナブル・シーフードへの理解を社員に促し、行動の変革を起こしていると言えるでしょう。2018年3月から本社を含む2拠点で導入しましたが、2021年3月には50拠点以上の社員食堂で提供されています。

日本で唯一サステナブル・シーフードを使ったケータリングを運営

バゲットのカナッペを作る人

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日本で唯一サステナブル・シーフードを使ったケータリングを運営している企業では、サステナブル・シーフードが店舗や家庭の食卓に並ぶように、環境やSDGs、海をテーマにしたパーティや会議など、さまざまなサービスを提供しています。

他にも、サステナブル・シーフードの紹介やサステナブル・シーフードを扱うために必要なCoC認証取得のサポートなども行っています。

個人でもできるサステナブル・シーフードの取り組み

魚売り場の女性

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サステナブル・シーフードを購入したり、知識を深めたりなど個人でもできる取り組みを行うことが大切です。私達個人ができるサステナブル・シーフードへの取り組みについて紹介します。

サステナブル・シーフードを取り扱っている店舗で商品を購入する

サステナブル・シーフードの商品を食べることが、海の環境問題解決へとつながります。最近では、サステナブル・シーフードを販売している企業が増えており、店舗や通販サイトなどでも購入できるようになってきました。また、加工食品やコンビニのおにぎりにも、サステナブル・シーフードを取り入れつつあります。魚介類を購入する際は、認証マークを確認しましょう。

サステナブル・シーフードについて理解し、伝えていく

魚料理を撮影する人

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サステナブル・シーフードとは何なのかを正しく理解し、情報をシェアすることが大切です。広まってきているとはいえ、まだまだ一般的ではないサステナブル・シーフード。今のままだと将来的に魚が食べられなくなってしまう可能性があります。

サステナブル・シーフードを使った料理をSNSでアップしたり、BBQやホームパーティで振る舞ったりなど、一人ひとりの認識や行動が将来につながると言えるでしょう。

未来のために持続可能なサステナブル・シーフードを選ぼう

海を泳ぐ魚の群れ

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サステナブル・シーフードは、未来の海洋生物や環境を守るために必要なものです。サステナブル・シーフードを積極的に選ぶことで海洋資源を守ることにつながります。いつまでもおいしく魚介類を食べるために、意識してサステナブル・シーフードを選びましょう。

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IKUMI
サムネイル: IKUMI
ブランドをこよなく愛するアラサー女子。ヴィンテージシャネルとセリーヌ、バレンシアガが好き。